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第3章|匠の手Ⅳ

2015.08.14 Friday

 

第3章 匠の手Ⅳ  宮沢家具設計製作 宮沢 高

 

そんなときにモクターブのテーブルを担当しないか、という話がきた。
聞いてみると、コンセプトには自分でも驚くほど共感した。
しかし難易度が高い。多くの人が断ったという。

たとえばテーブルの天板は大きな面積なので、
多くの樹種を組み合わせて作ると木の動きの影響を受けやすい。
そんな難しさがいくつもある。

MOCTAVE_広葉樹_木材_家具_職人_テーブル5しかし、それでも職人魂がうずいた。
逆に考えれば、それらが上手くいけば表情が豊かになる。そ
れが、モクターブの醍醐味だと思った。
確かに、一枚板のテーブルと比べると工程数は十倍以上にもなるし、
商品として作る以上、自己満足に陥らず、ニーズや納期も制限がある。
それでも「やりたい」と思った。

動きを抑えるにはどうすべきか。
まず動きが生じにくい方向での木取りを考える。
そして、数ミリ厚く木取りしておいて、表面を削って木が動くかどうか探る。
動くとさらにもう一度削って動くかどうか確認する。
これを時間をかけて繰り返す。

そうしておいてから木づくりすると、テーブルにした後の動きが少なくなるのだ。
まさに、木と知恵くらべ、根くらべである。

MOCTAVE_広葉樹_木材_家具_職人_テーブル3だが、そうやって組み上げられたテーブルには、
種類の異なる木と木が響き合っているかのような調和が生まれる。
このテーブルを囲めば、きっと会話が弾むだろうし、ケンカなどしないに違いない。

このテーブルの中で木と木とが調和しているように、家具を介して
使う人と作った職人との間でも響き合うものがある。
そんな家具を作り続けたいという宮沢の姿勢は、モクターブの家具作りにも貫かれている。

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家具 ・ インテリアショップ MOCTAVE | 東京・代官山

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